砂漠の悪魔

著者 :
  • 講談社 (2010年9月30日発売)
3.26
  • (19)
  • (77)
  • (116)
  • (33)
  • (8)
本棚登録 : 514
感想 : 109
3

ちょっとした悪意が引き金で、他人の人生を狂わせ、自分の人生をも崩壊させてしまった。

ごく平凡な大学生だったはずなのに、とんでもない世界に引きずり込まれてしまう展開は恐かった。
ストーリーが中国の民族問題へとつながってゆき、最後に登場する「悪魔」には驚いた。
そんなことになってるの、かの国は。
近藤さんが書きたかったのはこっちのことだったのかな。

平和に生きてる私と同じ空でつながってるどこかの国で起こってる、とんでもないこと。
それに苦しむ人々がいるってこと。
ニュースで見ると「大変だねえ」と言いつつどこか他人事だけど、この主人公のように突然「そっち側」の人間になっちゃうこともあるんですよね。

近藤さんの小説はいろんなテーマを扱っていて、どれも好きですが、今回のは妙に心に残りました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ヒューマン
感想投稿日 : 2014年4月22日
読了日 : 2014年4月22日
本棚登録日 : 2014年4月22日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする