余白の愛 (中公文庫 お 51-3)

著者 :
  • 中央公論新社 (2004年6月25日発売)
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本棚登録 : 2037
感想 : 198
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 小川洋子の本は好きなのだが、いつも少し過剰さや違和感を感じながら読み終える。
 現実と幻想が折り重なる作風は好きなはずなのに、言葉がすんなりと入ってこない。一言一言は素敵だなと思うのに、読み進めるうちに息苦しくなり、読むのを中断したくなる。
 神経がみっちりと毛細血管のように張り巡らされ、わずかな風にもふるふると震えるような繊細さに、終いには疲れ切ってしまう。陶酔しきれない。自分が小川洋子でなくて良かったと、よく分からない安堵をして本を閉じる。
 二回読みたいとは思わないことが多い。

 耳の病気になった主人公と、魅力的な指を持つ速記者の微妙な関係を描く。指フェチの人はより深く共感できるかもしれない作品。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本作家
感想投稿日 : 2015年1月3日
読了日 : 2015年1月1日
本棚登録日 : 2015年1月3日

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