巨人たちの星 巨人たちの星シリーズ (創元SF文庫)

  • 東京創元社 (1983年5月27日発売)
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本棚登録 : 239
感想 : 25
5

 3部作の完結編。第1作・第2作も知的好奇心を刺激する面白い作品でしたが、物語性・ドラマ性という点では少々盛り上がりに欠けるところがありました。
 つまり、前2作は、学問論争の歴史ドキュメントといった感じで地球外生命の調査と遭遇を淡々と描写されていたように思います。
 ところが本作は物語がダイナミックに展開します。何せ宇宙を舞台としたスパイ戦であり陰謀戦であり、ついには宇宙戦争に発展するのですから。
 前2作は本作の舞台背景を説明するための膨大なプロローグだったと言っていいほどです。
 
 前2作は宇宙の生命についてイフの世界を描いていましたが、今作では何と人類の歴史が俎上に載せられます。
 人類は発生時から何者かに監視されていた!古代遺跡や近現代の歴史にも介入の痕跡が認められるんだよ!!
 な……、なんだってえ~~~~~!
 で、前2作で提出された驚くべき仮説や解かれなかった謎が本作でスッキリと説明されます。
 作者ホーガンは第1作執筆前から綿密に背景やストーリーを組み立てていたんですね。
 無事伏線が回収されて良かった。
 前2作だけでもすごかったのですが、やはり本作まで読まないと画竜点睛を欠くというもの。
 私は今までホーガンといえばプロレスでしたが、今後はホーガンといえばSFだと思うことにします。


地球人類は監視されていた!?巨人たちの星【耳読】
  https://sanshirou.seesaa.net/article/479713672.html
巨人たちの星 ネタバレ感想会
  https://sfklubo.blog.jp/archives/12884390.html

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 900 文学
感想投稿日 : 2021年1月27日
読了日 : 2021年1月27日
本棚登録日 : 2021年1月27日

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