ある野球選手を愛する、ごく普通の少女が森で一人きりで遭難して、色んな不思議やら恐怖やらを体験しながらも、誰かに見つけてもらうために頑張る話。
…って書くと、なんか普通に普通の児童文学くさいのですが、キングですから、それはもう恐怖は本当に恐怖。野生の動物の声、肌のかぶれ、食料の確保、虫が顔のまわりをブンブン飛び回る…。ファンタジックな冒険ものなんかにはない、リアルで大変で、だからこそ応援したくなる、手に汗握る物語です。
子どもからしたら、とんでもなく理不尽な不幸だと思うんです。
なんで私がこんな目に?って。だってお腹すいたし、家に帰りたいし。ああ、もう嫌だ。虫の音で眠れない。足が痛い。方向はこれでいいの?なんでこんなことになったのよ。何で道をそれたの?
でも泣いていられない。どうにかしなきゃならない。あまりにも等身大で普通な少女のとっても緻密な心理描写にのめりこみすぎました。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
S.キング
- 感想投稿日 : 2010年3月7日
- 読了日 : 2010年3月7日
- 本棚登録日 : 2010年3月7日
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