風の払暁 満州国演義一 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2015年7月29日発売)
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本棚登録 : 276
感想 : 27
4

一巻は単行本でも読んだのだが、本作が船戸さんの遺作になってしまったこともあり、もったいなくて途中で読みとどまっていた。よし、読むぞと意気込んで再読。場の情景がありありと浮かび、4兄弟それぞれがその時代の政治に巻き込まれていく序章の一巻。まだ何冊も続きがあるから、まだみんな動いてくれるはず。いろいろな視点で時代の狭間を覗く、しかもその視点は兄弟なので互いに異なる立場でありながらも、気にかけているのがいい。兄弟なので、がないと異なる他者の存在を自分に置き換えづらいのかもしれない。つまり船戸氏の戦略が成功している。完結しているんだということが嬉しくもあり悲しくもあるけれど、自分の中でもようやく完結に向けて動き出した。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2018年8月27日
読了日 : 2018年8月27日
本棚登録日 : 2018年8月27日

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