ヴォイド・シェイパ

著者 :
  • 中央公論新社 (2011年4月1日発売)
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本棚登録 : 1331
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★2014年7月19日読了『ヴォイド・シェイパ』森博嗣著 評価B~B+
新しいタイプの時代小説と呼んでよいのでしょうか?

科学者である森博嗣氏が書く剣豪 サムライを主人公とした小説ですから、その作品の雰囲気は、全く他の時代小説とは異なります。今、時代小説で一番売れている佐伯泰英氏のスーパー侍が主人公がバッタバッタと敵方を倒していく作品と180度対局にあると言えるかと思います。

主人公のゼンは、幼い時からカシュウという師匠に人里離れた山で育てられ、師匠の死をきっかけに人里に降りてくるところから話は始まっていく。
その物語も、ゼンの内面的な悩み、なぜ生きているのか、なぜ強くなければいけないのか?という人生の根源的な疑問を繰り返し問いかけるちょっと哲学的な心の中の葛藤が中心に語られている。チャンバラ的な剣豪小説とは違う不思議な雰囲気を持った作品です。かなり好き嫌いは分かれるかもしれません。

いずれにせよ、いくつかあるこのシリーズを読み解いていきたいと思っています。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本現代小説
感想投稿日 : 2014年7月19日
読了日 : 2014年7月19日
本棚登録日 : 2014年7月19日

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