旅者の歌 中途の王

著者 :
  • 幻冬舎 (2014年12月16日発売)
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本棚登録 : 139
感想 : 22
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2015年3月21日読了『旅者の歌 中途の王』小路幸也著 評価B
旅者の旅シリーズ第2作目。
1作目は、舞台設定の説明に手間取って、リズムが多少悪かった感があったが、さすがに2作目は最初からダッシュという感じで、ストーリーの展開も快調。ただ、逆にスムーズに進み過ぎて、ちょっと上滑り的なというかアニメマンガ的に描写が甘い感じは少々漂う。もう少し、じっくりと人や心理描写を丁寧に描き込んでも良いような気はする。しかし、物語の舞台設定、展開はよく練ってあり、そのおかげで、読んでいてもそのファンタジー性とワクワク感は持続して良い感じではある。

名前を見ない限り、小路氏の作品とは分からないのではないかと言うくらい、彼の新しい世界を構築できていると思う。

旅者として、許嫁、兄姉を人間に戻すべく4者で旅立ったニィマール改めリョシャ達は、彼ら旅者を助ける繋者のタルホアルワンから女戦士のカポックなど、仲間を加えながら、様々な援助と好意を各地の民から受け、一歩一歩、目的の離者の地へ進んでいく。

この巻の最大の山場は、ヒュルギアンズの国にかけられた呪いをその国の王、デュランドセットルンに助言を受け、その百万の国民の強い祈りとともに戦う中途の王との決戦。リョシャたちは、デュランドセットルン王から銀の意志、赤の刃、緑の知惠、黒の力をもらい、中途の王を倒し、呪いを解くことから、自らの運命の扉を開こうともがく。そして、デュランドセットルン王を一行に加え、物語はさらに大海原に乗り出していく。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ファンタジー
感想投稿日 : 2015年3月21日
読了日 : 2015年3月21日
本棚登録日 : 2015年3月21日

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