アラベスクで貴女は夢幻に美を纏い舞う。私はその爪先に紅い花が咲くのを見た。煌めく砂糖菓子のような物語を齧ったらチクッと痛みと甘味が走り、ああ...好きって思ったの。蔦は私を締め付け葉っぱのレースが呼吸を覆い、緑の焔が焼き尽くす。世の中の完璧が嫌いよ、小さな秘密や綻びが好き。そんな私には御守りに鋏と烟がよく似合う。赤い鱗は瑠璃色の湖で泳ぐ白鳥に惹かれた。たとえ素が醜いアヒルだとしても。少女は水底から蘇る。色!色!色!!地獄の中の美しい幻だ!愛しみのジゼルと憎しみのミルタ。世界を手にした少女達の生と死の幕があがった。
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- 感想投稿日 : 2018年4月9日
- 読了日 : 2018年4月9日
- 本棚登録日 : 2018年4月9日
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