インテリア写真を目当てにこの本を手に取るひとも多いのかもしれないが、中のテキストは写真だけでなく本にまつわる作家の言葉も散りばめられていて、本好きにはなかなか読み応えのある内容。
掲載されている家具の背や天井が高いのと、モダンな家具が多いのでインテリアがオランダっぽいなあと思ったが、ヨーロッパ中心でイギリス、フランス、イタリア、ちょっとNYも。巻末に情報あり。多くはに作り付けの本棚であったり、階段下や部屋のデッドゾーンを本棚にしている構造が多く見られる。ちなみに日本の家は載っていません。
インテリアの傾向はいろいろ。モダンからカントリー、屋根裏っぽいのから台所、子供部屋までシーンは幅広い。窓に近い本棚は温度の差でカビが生えやすいとか、ブラケット(壁の棚板を支える足)を見えなくしている、とかいちいち注釈が分かりやすくて(その写真では分かりにくいのだが)実用的な情報を求めている読者もなかなか満足させられる。
原題はBOOKS MAKE A HOME なんだけどもうちょっと洗練された訳でのタイトルにできなかったのだろうか。発行元がスピリチュアル系の会社みたいで内容の割にイマイチ全体的に垢抜けていないのはそのせいか。
ちなみに奥付にはprinted in Chinaとあって、ここ最近のアートブックは中国で印刷されてるのが多い。これだけ沢山のカラー写真で3000円てのは安いですね。
今どき紙の重たい本を所有するのは時代に逆行しているのかもしれないけれど、そもそもここに掲載されている部屋の主は我関せずだろうし、日本人であっても自分の部屋でごろごろしながらこういう画集をめくる時間は至福となるだろう。
原書はこちらで海外でも高評価。http://www.amazon.com/dp/1849751870
- 感想投稿日 : 2014年3月1日
- 読了日 : 2014年2月28日
- 本棚登録日 : 2014年2月27日
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