ゾーハル: カバラーの聖典 (叢書・ウニベルシタス 976)

  • 法政大学出版局 (2012年7月5日発売)
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13世紀の終わりに書かれたゾーハルの翻訳。ゾーハルは聖書とタルムードと並ぶカバラーの聖典とされ、元々はアラム語で書かれ、それをミュラーがドイツ語に編訳したものが、本書で和訳された。

叙述は体系的なスタイルを取らず、ユダヤの伝統的な説教方式で書かれているため、現代日本人には少しとっつきにくい。その内容も、聖書の詩句を神秘主義的に解釈しながら語り手の思想を展開していくので、こうした世界に慣れてない人間が読むと、数ページで読んだだけで頭の整理が難しくなってくる。そもそも、聖書の詩句自体が一般の日本人にはなじみがないし、その引用された詩句もかなり恣意的に選ばれたようにしか見えないため、とっつきにくいことこの上ない本とも言えるのだが、なんでもない詩句に次々と思いもよらない「意味」を見出して説く文章は、ある程度聖書になじみがある神秘主義者にとっては非常に有益なものだと思われる。

この板の人間は、とりあえず手にとってパラパラ眺めてみて、目に飛び込んできたピンとくる語句の周辺を読んでみるのがいいんじゃないかと思う。普通の本のように前から読み進めてしまうとまず挫折するし、逆に途中から読んでも前に書かれていることが前提になっていない、ある意味辞書に似た編集の本なので

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ:   ┗カバラ
感想投稿日 : 2017年5月12日
本棚登録日 : 2016年11月28日

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