グレ-ト・ギャツビ- (村上春樹翻訳ライブラリー f- 2)

  • 中央公論新社 (2006年11月1日発売)
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「誰もかれもかすみたいなやつだ。みんな合わせても、君一人の値打ちもないね」
この語り手ニックの言葉が物語(ギャツビー)を表しているような気がした。
冒頭、ギャツビーが遠くの海上にある緑の灯火に向かって体を小刻みに震わせている理由。愛する一人の女性のために成り上がった先に待ち受けていたもの。それでも彼は豪邸から遠くの海上に灯る緑の光に手を伸ばし続けた。

村上春樹が、誰かを深く愛したという過去はあとで自分を温めてくれるということを言っていた気がする。ギャツビーはどんな境遇にあろうとも、デイジーという女性を深く愛した過去が彼をずっと温め続けてくれたんだと思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外文学
感想投稿日 : 2023年10月23日
読了日 : 2023年10月23日
本棚登録日 : 2023年10月23日

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