晴天の迷いクジラ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2014年6月27日発売)
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 『〝クジラ〟強調月間始めました!』16

 第16回は、窪美澄さんの『晴天の迷いクジラ』です。2014年以来8年ぶりの再読。
 読了済はシリーズに入れないと明言したのに、何故の翻意? 我ながらの朝令暮改・支離滅裂ぶりに残念! 許して!
 いや〜、再読してみて以前の印象との違いに戸惑ってしまいました。2度目の方が、自身に訴えるものが強かったように思いました。経験? いや年か、そっちですね。

 本書の内容は・・・ブラックデザイン会社社員と女社長、共に日々の生活に絶望しているところ、社長の故郷の入江にクジラが迷い込み、観に行きます。
 途中、引きこもりの女子高生が同行し、目的地までの道中、3人それぞれが抱える複雑な事情も明かされていくという展開です。
 その後はやや現実離れしているものの、クジラが無事に沖に出られたらいいねという願望と、自分たちも一歩前に踏み出そうとする意志が表れ、温かな終末と思えました。
 クジラと自分を重ね、他人事と思えなかったのですね。人生の転機は何処に転がっているか分かりません。私も日々悩みを抱え(ウソつけ! この能天気!)でおりますが、共有や共感の必要性も大事だと改めて感じました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年11月18日
読了日 : 2022年11月18日
本棚登録日 : 2022年11月18日

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