乳と卵 (文春文庫 か 51-1)

著者 :
  • 文藝春秋 (2010年9月3日発売)
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感想 : 865
5

すごいものに出会った。「相変わらず陳腐で貧相なことしか言えない、しょうがないよな、素人だし」

川上未映子は知ってた。といっても、名前だけ。
一気に読んだ。
溢れ出る才能に脳天を打ち抜かれた
高尚な演技と卓越した三人芝居をまざまざと見せ付けられたような感じ
言ってしまえばまた違う気もする



東京にいる妹のところへ姉親子がくる。
姉、姪、そして妹「姉から言えば」との3日間
上京の目的は姉の豊胸施術のため。

文字通り乳と卵
たまごでなく卵子。そして乳「胸」
こんなに月経のこと、卵子のこと
受精しなかったことなど考えたことなかった。
まぁそこが凡人なわけで。自分
そして作品がこのことで全て成り立っている
このことを通して全てわかる
本当に全て手に取るように〜顕れていく、
ことばが次から次と溢れ出て。溺れそう。

溢れ出る、湧いて出ることばに翻弄され
溺れた。絡めとられたでも心地よい。
なんとすごい才能だろう

最後は号泣
少しづつ川上未映子沼にハマりに行く。

女性ではない男性が読んだ感想を知りたい。
月経、出血、おっぱいの形状大小、形
ここまで女の性をさらけ出した作品にお目にかかったことはない。(読書経験が未熟で)

しかしそれだけではなくそこからの現在に至るまでのことが明らかになる。

才能がなければ
こんな風には仕上がらないよね。
納得の文句なしの芥川賞だわ。

本を読んでいくにつれ、
我が身の穏やかなことよ。













 

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年12月10日
読了日 : 2020年12月10日
本棚登録日 : 2020年12月7日

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