ルピナスさん: 小さなおばあさんのお話

  • ほるぷ出版 (1987年10月15日発売)
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読書メーターの風に運ばれて読みたくなった本はまさにルピナスの花の種。読み友さんの素敵なレビューと読み友さんのお名前から気になり読んでみたら、とても素敵な絵本だった。世界をうつくしくする、というのは、視覚的にかつ主観的な美を振りまくというのではなく、自分の温かい気持ちを伝染させて人の心を温めることなのだろう。ルピナスさんはかつておじいさんからもらった種を今度は子供達に渡す風の役割を果たしている。各頁の色彩はもちろん、表紙の絵が特に好き。ルピナスさんが風に乗って遠い国へゆき、そして風になる循環を想起させる。

いたるところに種を買ってまくというのは、特に外来種の場合などは生態系の観点からはよろしくないが、すでに咲いている野草の花から種を取り、近くにまく知り合いがいる。もしかしたら、ルピナスさんを読んでのことかもしれないと思った。世界を少しでもうつくしくしたいと思ったときに、じ分は何ができるだろうか?ルピナスさんのようなおばあさんになるまでに一つでも自分で納得できるものを見つけたいと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 絵本
感想投稿日 : 2021年10月15日
読了日 : 2021年10月15日
本棚登録日 : 2021年10月15日

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