以前、大学のゼミでお世話になった教授から「愛を読む人」という映画が「教育」を考えるうえで大変参考になるし、映画としても面白い作品だ、と聞いたことがあって気になっていました。
その映画の原作が本書です。
恋愛小説のひとつとしてネットで紹介されていましたが、この本が語るテーマは様々で、とても奥深い作品だと思います。
恋愛に没頭する思春期の青年の昂ぶり、周囲の目を意識して恋人を「裏切る」ことへの罪悪感、家族からの自立、生涯の恋人との別れ、ナチス支配下でのユダヤ人迫害をめぐる裁判と「罪」と「許し」の意味、教育を受けることの意味、本当の意味で「個人を尊重する」とはどういうことか。
なにを求めて、どのような人生を歩むのか、非常に考えさせられる作品でした。
前半部分は性行為の描写も少しあるので、中学生には少し薦めにくい本ではありますが、大学生や大人向けの小説としてぜひ多くの方に読んで欲しいと思える作品です。
人生の中では「後悔」することは多々あるのですが、それを「乗り越える」のではなく、その思い出とともに生きてゆくこと、そしてそのことを受け入れることこそが人生なのだと示されたように思います。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
仕事
- 感想投稿日 : 2022年2月8日
- 読了日 : 2022年2月8日
- 本棚登録日 : 2022年2月8日
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