都内を中心にあちこち転々とした自伝作品。
自堕落な自分をかなり正直に書いている。
鎌倉海岸と水上温泉での心中事件、首吊り自殺を図って生還したことなど実にあっさり描かれている。
薬に中毒に至る経過も淡々と書かれている。
太宰の20から30歳頃に至る私生活のダイジェスト版みたいなもので、彼を知るうえで大きな手がかりとなる。
だけどなぁ~
自分の過去を切り売りするだけで、作品になってしまうんだもんなぁ~
ぼくの場合、全人生の自伝を書いてもとても作品になんかならない。
たいていの人の人生なんてそんなものかも知れない。
太宰は特殊だったのだろうか?
面白いことに、実家が裕福だったため、その裕福こそが彼が自堕落になった原因なのである。
自堕落で生きるにはそれなりの幸運が必要なのだ。
ここで疑問である。
太宰は作品を生み出したいがために、自堕落な生活を選んだのだろうか?
ぼくには、そうだと思えて仕方がない。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2014年8月7日
- 読了日 : 2014年8月7日
- 本棚登録日 : 2014年8月7日
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