東京八景 (苦難の或人に贈る)

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  • 2012年9月27日発売
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感想 : 8
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都内を中心にあちこち転々とした自伝作品。
自堕落な自分をかなり正直に書いている。
鎌倉海岸と水上温泉での心中事件、首吊り自殺を図って生還したことなど実にあっさり描かれている。
薬に中毒に至る経過も淡々と書かれている。
太宰の20から30歳頃に至る私生活のダイジェスト版みたいなもので、彼を知るうえで大きな手がかりとなる。

だけどなぁ~
自分の過去を切り売りするだけで、作品になってしまうんだもんなぁ~
ぼくの場合、全人生の自伝を書いてもとても作品になんかならない。
たいていの人の人生なんてそんなものかも知れない。

太宰は特殊だったのだろうか?

面白いことに、実家が裕福だったため、その裕福こそが彼が自堕落になった原因なのである。
自堕落で生きるにはそれなりの幸運が必要なのだ。

ここで疑問である。
太宰は作品を生み出したいがために、自堕落な生活を選んだのだろうか?

ぼくには、そうだと思えて仕方がない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年8月7日
読了日 : 2014年8月7日
本棚登録日 : 2014年8月7日

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