夜よ鼠たちのために (新潮文庫 れ 1-2)

著者 :
  • 新潮社 (1986年4月1日発売)
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本棚登録 : 83
感想 : 10

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脅泊電話に呼び出されて出かけた総合病院の院長が殺され、続いて、同じ病院の内科部長の死体が発見された。見つかった二人の死体は、首に針金を二重に巻きつけられ、白衣を着せられていた。何故二人がこんな姿で殺されたのか?そして、「妻の復讐のために殺した」という犯人の電話の意味は?執拗な復讐者の姿を追う表題作ほか、人間の心の奥に潜む闇を描くサスペンス6編。
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表題作のほか、「二つの顔」 「過去からの声」 「化石の鍵」 「奇妙な依頼」 「二重生活」
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どれもとてもよくできた物語である。極自然にまっすぐに流れていた流れが、ある時点を境にもつれ絡まり合い逆流するように、がらっと様相を変える。その変わり様が見事である。真実がわかるとそれまで見逃していた些細な点が、浮かび上がるように見えてくるのが不思議である。どこでどうひっくり返されるかわくわくする一冊だった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ら行の作家
感想投稿日 : 2010年5月25日
読了日 : 2010年5月25日
本棚登録日 : 2010年5月25日

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