戦いの結末は分かっていた。
しかし、石田三成を応援せざるをえなかった。
ひとつは、徳川家康の描かれ方による。
狸親父などという可愛らしいネーミングが許せず「クソジジイ」と罵りたくなるほど、謀略巧みな人物であった。
上巻を読み終えた後は本気で腹が立ち、なかなか寝付けなかった。
もうひとつには、三成の不器用さがある。
「クソジジイ」である家康に対して三成は、正義感をこじらせた「クソガキ」といったところだろうか。
頭は良い。
だが、何事においても言い方が良くない。
態度も良くない。
当然嫌われてしまい、孤軍奮闘する。
読者としては応援せざるをえないではないか!
この作品を読んで最も学んだことは、社交性の大切さである。
そんな三成だが、自らの家臣や領民には愛されていた。
利を欲する諸侯。
言ったもん勝ち、やったもん勝ち、早い者勝ちの世界。
それでも、義を説く三成。
態度が一貫している人物が好きな人には、この『関ヶ原』の石田三成はおすすめである。
三成がひたすらに説いた義は、その生き様の最期に分かるはずだ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2018年2月7日
- 読了日 : 2018年2月6日
- 本棚登録日 : 2018年2月6日
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