私は基本的に長い小説は好きだが、これはその中でも読んでいる途中に、長いなあ、と感じてしまった。
スケールの大きな世界観に引っ張られ読み応え自体はあるし、また筆運びも確かなことは間違いないのだが、物語の骨子に必要のない固有名詞が大量に出てくることによるとっつき難さが若干あり、ストーリーのメリハリも効かされてはいないから、平坦な印象を受ける。
ある意味、雑誌連載物の典型、と言える面があるかもしれない。
タイトルにもなっている"狗賓童子"というギミックが後で活かされるのかと思いつつ読み進めたが、それもなく、全体構成においてはちょっともったいないことをしている、とも感じた。
期待が高かっただけに、評価も厳しめになってしまったか。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
単行本
- 感想投稿日 : 2015年5月31日
- 読了日 : 2015年5月31日
- 本棚登録日 : 2015年5月31日
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