風と共に去りぬ (3) (新潮文庫)

  • 新潮社 (1977年7月4日発売)
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感想 : 23
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本書は驚くほどスラスラ読めた。スカーレットがタラ再建に奔走する話がメインで、息をつく間もないほど緊張の連続であった。なんと、スカーレットは銃で兵士を撃ち殺したのだ。それは仕方がなかった。兵士が勝手にスカーレット達の家に入ってきたから、仕方がなかったのだ。また、本書では、スカーレットのメラニーに対する新しい感情が芽生えるところも必見である。メラニーは必要な時に、いつでもスカーレットのそばに現れ、その小さな体からは想像も出来ない位の、大きな勇気に溢れた行動を起こすのだ。兵士が家に現れた際には、病に伏している体に鞭を打ち、チャールズの剣を引きずり階段まで駆けつけた。さらに別の兵士達が家に火を放った際には、家の中からスカーレットを探し出し、一緒にマットを叩きつけて火を消した。馬に乗って家畜を家の裏手へ逃がしもした。メラニーは勇敢な淑女である。3巻では大胆にも、レットと取引を行う。レットから金を借りるため、スカーレットは自身の肉体を提供すると申し出たのだ。あっけなく断られるのだが、レットは彼らしいポリシーがあり、それは獄中でも変わらないようだ。読者の思うように返事をせずに、スカーレットに試練を与え続けるところは、まるでライオンの父のようである。そして妹スエレンの愛人であるフランクに狙いを定めるスカーレット嬢。彼女ならやれるだろう。次巻では、スカーレットがフランクをモノにして、タラの税金を払い、裕福な暮らしが送れていることを期待している。最後に、本書の中でフリーメイソンが出てきたことに驚いた。1717年、イギリスで結成された世界市民主義的な自由主義の団体だそう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 新潮社
感想投稿日 : 2018年5月27日
読了日 : 2016年7月10日
本棚登録日 : 2016年6月26日

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