「内向型」「外向型」は性格心理学の研究の蓄積があるのものの、定義が学問的には難しいものらしい。
低刺激を好む内向型と、高刺激を好む外向型。
両者は補完しあう関係という、至極穏当な主張をしているのだが、やはり極端に外向型を尊ぶ価値観のアメリカでは、かくまで内向型を称揚しないと、バランスが取れないんだ...と思わされる。
この本は、ある種のアメリカ社会論として読んだ方が面白いかもしれない。
ヨーロッパ的な権威を否定しながら文化を創り出した歴史的な経緯から、活動的な外向性を尊重するようになったそうだ。
内向型の人たちが、外向型を装いながら生きざるを得ないことや、内向性を尊ぶアジアからの移民や留学生がどんなに過小評価されるかは、想像を超えるものがあった。
本書の最後の方は、内向型の子供をどう伸ばすかという、教育論になっていく。
最近日本でも協同学習ばやりだが、それがアメリカ的方法論だと本書にあった。
じっくり深く考えることが得意な内向型の子供の特性を殺してしまうのだとか。
考えさせられる内容。
内向型は一人になって休む時間が必要だという話は、内向性に比較寛容な日本社会にいる私にとっても、少し心が軽くなる。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2016年4月16日
- 読了日 : 2016年4月16日
- 本棚登録日 : 2016年4月16日
みんなの感想をみる