やっぱり「半沢部長」はかっこいい。
親会社が相手であれ、臆せず正しいことをしようとする。
親会社東京中央銀行に、電脳雑伎集団のアドバイザリー契約をかっさらわれたら、「倍返し」で、その買収しようとしていた東京スパイラルのアドバイザーになり、逆買収を仕掛ける。
その攻防は、スリリングで、一気読みしたくなる。
ロスジェネの部下、森山に、誇りをもって仕事をする姿を見せ、信頼を勝ち得る。
ロスジェネと、その下の世代が、世の中を作り直せ、というメッセージは熱い。
しかし。
ロスジェネの端くれとしては、割り切れないものが残る。
ロスジェネ世代も、もう中年に差し掛かっている。
暮らしを支えうる仕事につけた人はいい。
半沢部長の言うように、その仕事を全うすればいい。
誇りを持って頑張れば...という精神論はちょっと苦手だけど。
でもね、ブラックな労働環境に置かれ、それさえ雇止めになっていく同世代たちに、何ができるのだろうか。
己の無力を痛感するがゆえに、申し訳ないけど、きれいごとだなあ、と嘆息せずにはいられないのだ。
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- 感想投稿日 : 2017年2月9日
- 読了日 : 2017年2月9日
- 本棚登録日 : 2017年2月9日
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