無罪 INNOCENT

  • 文藝春秋 (2012年9月28日発売)
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本棚登録 : 202
感想 : 25
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『推定無罪』は映像でしか観てないので、文章としてのトゥローは初体験。

前半は事件が起きるまでのそれぞれの関係と思惑を描き、後半はサビッチを被告とする法廷シーンで、検察側と弁護側の攻防と駆け引きが繰り広げられる。こってりコクのある文体で、リーガル・サスペンスではあるけれども、文学作品としての印象が強い。

作中での人間ドラマはソープオペラっぽいけど、洗練された複雑さが、ありきたりの愛憎劇を掘り下げて映し出している。だが誰一人として共感できない。全員、どこか一部が破綻しており、個々の動機については理解する気にさえなれなかった。長い物語を読むに値する作品だけれども、どこかで引いて読んでしまった分、世間ほどは傑作だと実感できず。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外ミステリ
感想投稿日 : 2012年10月17日
読了日 : 2012年10月17日
本棚登録日 : 2012年10月17日

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