300頁ほどのボリュームなので、あっさりと読めてしまった。前作ほどのこってり感はなし。
リーガル・サスペンスと言っても緊迫した法廷シーンはほぼ皆無で、法システムに起因した、法廷外での心理ドラマが主体となっている。キャラクター紹介に時間を割いてるわりには人物描写は淡白だったり、暴行事件そっちのけで脅迫事件に躍起になったりと、何となくちぐはぐなバランスだなあと思ってたが、読み終わってみると、全体の構成は巧く体裁が整えられており、リーガル・サスペンスとしての落としドコロも決まっているから流石と言えば流石かな。
原題の『Limitations』には、出訴期限の他、制限や限界と言った意味がある。ダブルミーニングの意味合いもあるので、原題の方がストーリーの奥行きにより合致したのではないかとも思う。でもトゥローのサスペンスは容赦がないね、リーガルの部分で。作品のボリュームいっぱいのリーガル色を展開させるから、読んでるこっちは気が抜けません。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
海外ミステリ
- 感想投稿日 : 2013年8月13日
- 読了日 : 2013年8月13日
- 本棚登録日 : 2013年8月13日
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