スウェーデン・ミステリと言えば、ヴァランダー・シリーズが有名だが、同じ国でも場所が変われば作品の雰囲気も随分違ってくる。だが、本シリーズはリピートしようとは思わない。
木に吊るされた凄惨な死体という派手なスタートではあったが、読めば読むほどストーリーが停滞してる感覚が強くなる。警察ミステリではあるのだが、同様にドラマの割合も多い。視点の入れ替わりが多く、主人公以外にも、捜査メンバーのひとりひとりに至るまで、無関係と思える日常のエピソードを混ぜてくるので、飛ばし読みせざるを得なくなる。
肝心の事件だが、進むほどに根っこの深さに気付かされる。親子や兄弟、家族の過去と現在にまたがる因果が描かれており、詩的な表現が良くも悪くも印象に残る。『湿地』と似ている気もするが、謎解きのアプローチは全く異なり、こちらはゆるゆる。平均レベルの北欧ミステリのむちゃ喰いはあまり良くないなと思う。寒さしか記憶に残らないもので。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
海外ミステリ
- 感想投稿日 : 2013年5月6日
- 読了日 : 2013年5月6日
- 本棚登録日 : 2013年5月6日
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