garboさんの感想・レビュー

人形はなぜ殺される (ハルキ文庫 た 10-2)

著者 : 高木彬光

• 角川春樹事務所 (2000年3月1日発売)

タイトルのインパクトもさることながら、中身も決して期待を裏切らない本格ミステリの傑作。「読者への挑戦」は二度登場し、勝負を挑むにはこれ以上ないくらいの舞台装置が揃っている。ただ、島田荘司の『夜は千の鈴を鳴らす』を先に読んでしまったので、その楽しみは味わえなかったが…。作者は「カーには及ばなかった」と言っているが、本家を彷彿とさせる怪奇趣味的要素や秀逸な謎解きなどは、引けを取らないほどの出来映えだと思う。密室、アリバイ等、ミステリには数多くのトリックが氾濫してるが、このトリックと絶妙なタイトルだけは忘れようとしても忘れられない。

感想投稿日 : 2005年12月12日

読了日 : 2005年12月12日

本棚登録日 : 2005年12月12日