ちょうど映画『ハンナ・アーレント』を観た直後に読み始めたので、何度もアイヒマンの裁判映像が頭に浮かんだ。「私は命令に従ったまでです」「私は手を下してません」後年、ここに出てくる何人のナチス将校が同じ事を思うだろう。トッカータ、アルマンド…とバロック組曲の楽章に乗せたマクシミリアン・アウエの語りは醒めない悪夢のように続く。ひたすら続く。いとも簡単に人を殺せるという事実と、殺される側には大変な困難が存在するはずだという事実の間の、この絶対的な不適合。今後アウエは何を見て、何を思っていくのだろう。下巻へ。
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- 感想投稿日 : 2013年12月23日
- 読了日 : 2013年12月23日
- 本棚登録日 : 2013年11月29日
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