文明化の過程・下 〈改装版〉: 社会の変遷/文明化の理論のための見取図 (叢書・ウニベルシタス 76)

  • 法政大学出版局 (2010年10月8日発売)
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感想 : 2
3

上巻を読んだのはもう2年前。下巻の目次を見て,上巻とは随分違うことを確認して購入もしていなかったが,一応Amazonのマーケットプレイスの価格はチェックしていた。そして,安値だった時に購入したもの。
日本語訳では上下巻と連続しているような感じだが,実際には同一テーマの違う本という感じだろうか。もちろん,まとめと題された章で上巻への言及は多く,2冊を読んではじめて全体像が見えるという構成にはなっているが,上巻は文化史的な内容であり,私にも非常に読みやすいが,下巻はむしろ政治経済史といった内容で,非常に読みにくかった。

第三部 ヨーロッパ文明の社会発生について
I 宮廷社会に関する概観
II 絶対主義の社会発生に関する簡単な前置き
III 中世における社会発展の仕組みについて
 第一章 封建化の仕組み
 第二章 国家の社会発生について
まとめ 文明化の理論のための見取図

目次を見れば書かれていることは明白で,私自身が身につけなくてはいけない知識が満載だったはずである。しかし,とにかく私には読みづらい。マルクス主義的にいうならば,上巻の社会の上部構造としての文化や文明は,下巻の下部構造としての経済を理解しないといけない,ということになると思う。実際,下巻では社会と経済,政治との非常に密接なかかわり合いを意識して歴史的過程を記述されている。
ヨーロッパの歴史についてはまだまだ学ばなくてはならないことが多いと実感させてくれる読書でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史
感想投稿日 : 2013年6月22日
読了日 : 2013年6月21日
本棚登録日 : 2013年6月21日

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