文明化の過程・下 〈改装版〉: 社会の変遷/文明化の理論のための見取図 (叢書・ウニベルシタス 76)

  • 法政大学出版局
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  • Amazon.co.jp ・本 (502ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784588099274

作品紹介・あらすじ

心理的自己抑制の深化・拡大を主旋律とする文明化の波動が、人間相互・諸階級間の経済的・政治的重層構造=織物としての社会の変遷といかに関連するかを考察する。

感想・レビュー・書評

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  • [ 内容 ]
    <上>
    第1回アドルノ賞受賞。
    食事作法や礼儀・振舞の変遷を綿密にあとづけ、自己抑制の深化・拡大を社会構造との連関のうちに展望。
    文明化の長大な波動をとらえる。

    <下>
    第1回アドルノ賞受賞。
    食事作法や礼儀・振舞の変遷を綿密にあとづけ、自己抑制の深化・拡大を社会構造との連関のうちに展望。
    文明化の長大な波動をとらえる。

    [ 目次 ]
    <上>
    第1部 「文明化」と「文化」という概念の社会発生について(ドイツにおける「文化」と「文明化」の対立の社会発生について;フランスにおける「文明化」の概念の社会発生について)
    第2部 人間の風俗の独特の変化としての「文明化」について(「礼儀」という概念の歴史について;中世の社交形式について;ルネッサンスにおける人間の振舞いの変化の問題;食事における振舞いについて;生理的欲求に対する考え方の変遷;洟をかむことについて;つばを吐くことについて;寝室における作法について;男女関係についての考え方の変遷;攻撃欲の変遷について;騎士の生活)

    <下>
    第3部 ヨーロッパ文明の社会発生について(宮廷社会に関する概観;絶対主義の社会発生に関する簡単な前置き;中世における社会発展の仕組みについて)
    まとめ 文明化の理論のための見取図(自己抑制を迫る社会的圧力;長期的視野への強制と自己抑制の拡大;対照の幅の縮小、変種の増大;戦士の宮廷化;衝動の抑制・心理化と合理化;羞恥心と不快感;上流階級の団結強化・下流階級の上流への進出の激化;全体的な展望)

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 上巻を読んだのはもう2年前。下巻の目次を見て,上巻とは随分違うことを確認して購入もしていなかったが,一応Amazonのマーケットプレイスの価格はチェックしていた。そして,安値だった時に購入したもの。
    日本語訳では上下巻と連続しているような感じだが,実際には同一テーマの違う本という感じだろうか。もちろん,まとめと題された章で上巻への言及は多く,2冊を読んではじめて全体像が見えるという構成にはなっているが,上巻は文化史的な内容であり,私にも非常に読みやすいが,下巻はむしろ政治経済史といった内容で,非常に読みにくかった。

    第三部 ヨーロッパ文明の社会発生について
    I 宮廷社会に関する概観
    II 絶対主義の社会発生に関する簡単な前置き
    III 中世における社会発展の仕組みについて
     第一章 封建化の仕組み
     第二章 国家の社会発生について
    まとめ 文明化の理論のための見取図

    目次を見れば書かれていることは明白で,私自身が身につけなくてはいけない知識が満載だったはずである。しかし,とにかく私には読みづらい。マルクス主義的にいうならば,上巻の社会の上部構造としての文化や文明は,下巻の下部構造としての経済を理解しないといけない,ということになると思う。実際,下巻では社会と経済,政治との非常に密接なかかわり合いを意識して歴史的過程を記述されている。
    ヨーロッパの歴史についてはまだまだ学ばなくてはならないことが多いと実感させてくれる読書でした。

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著者プロフィール

(Norbert Elias)
1897年、ブレスラウ生まれのユダヤ系ドイツ人社会学者。地元のギムナジウムを経てブレスラウ大学に入学、医学や哲学を学ぶ。第一次世界大戦では通信兵として従軍したのち、ハイデルベルク大学でリッケルト、ヤスパースらに哲学を学び、アルフレート・ウェーバー、カール・マンハイムの下で社会学の研究に従事する。その後、フランクフルト大学に移り、マンハイムの助手として働くが、ナチスに追われフランスやイギリスに亡命。1954年、57歳でレスター大学社会学部の専任教員に任命される。レスター大学を退職した後にガーナ大学社会学部教授として招聘される。レスター大学では数多くの有能な若手社会学者を指導し、社会学、心理学、歴史学などの該博な知識に裏打ちされた独自の社会理論を構築する。日本語訳に『文明化の過程』『宮廷社会』『死にゆく者の孤独』『参加と距離化』『モーツァルト』『社会学とは何か』『スポーツと文明化』(共著)『時間について』『ドイツ人論』『諸個人の社会』『定着者と部外者』(共著)『シンボルの理論』(以上、小局刊)があり、その他にも英語とドイツ語で書かれた数多くの論文がある。1977年、第1回アドルノ賞を受賞。ドイツ、フランス、オランダの大学からも名誉博士号や勲章が授与されている。1990年、オランダで93年の生涯を終えた。

「2017年 『エリアス回想録』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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