ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス 51)

  • 白水社 (1984年5月20日発売)
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6年ぶりの再読。以前は別訳で読んでいる。きっかけは攻殻機動隊視聴による。

話の筋はほとんど覚えていなかったが、前回よりも内容が理解できた気がする。
子どもから大人になることの葛藤。正義と不正との葛藤。それが本書の内容と思われる。以下の文章がその象徴であり、また攻殻機動隊とのリンクもあり個人的には非常に鮮烈な印象が残った。

"未成熟な人間の特徴は、理想のために高貴な死を選ぼうとする点にある。これに反して成熟した人間の特徴は、理想のために卑小な生を選ぼうとする点にある。"p293

今回、他作品との関連で読んだが、他の作品が互いに内容を深め合い、印象を強めることができるということを実感した。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年8月9日
読了日 : 2022年8月7日
本棚登録日 : 2022年8月6日

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コメント 1件

wanpapa2517さんのコメント
2022/10/02

I thought what I'd do was, I'd pretend I was one of those deaf-mutes or shoud I ?

「僕は耳と目を閉じ、口を噤んだ人間になろうと考えたんだ」「だがならざるべきか」

ですね。私もトグサがこの文章を読んでいるシーンでこの本を購入しました。
今も山寺宏一さんの声が頭の中でリフレインしてますw

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