2009年の作品。
敵は多国籍企業ローラングループの弁護士ロイド。大統領の兄からグレイマンの首をもってこないと大口契約を破棄すると言われており、グレイマンの調教師(ハンドラー)フィッツロイに話をし、彼の家族を人質に彼を殺すように指図する。
12チーム、50人以上の暗殺チームが彼に襲いかかるストーリー。量だけではなく一人韓国人の暗殺のスペシャリストも彼を殺しにきている。グレイマンはフィッツロイを信じていて、逃げる場所を報告するので、行った先ごとに暗殺チームが待ち構えている。それも最後はばれてしまうが。戦闘シーンの釣瓶撃ちが可能になっている作りで、本で読むのがもったいないようなアクションの連続となる。この手の小説らしい武器の細かい描写が興味深い。
落とし穴に落ちて、地下の部屋に閉じ込められるとさすがにどうしようもないかと思ったら、ピストルの弾の火薬を抜いて硬めて、ピストルのバネを利用した小型爆弾をつくり、地下の温泉の管を切って、お湯に乗り浮上、外に出るというアクションには感心した。そこにはヘリで暗殺チームが襲いかかる。
荒唐無稽な話であるが、007のようなスマートな展開、スーパーマンにはしていない。戦いのたびに傷つき、最後は腹をえぐられて瀕死の状態で、涙を流しながら苦痛に耐える。ちょっとした描写もうまい。映画向きな話だが、この味を消してスーパー暗殺者の話にしてしまっては元も子もない。
北上次郎が好きなシリーズでこの本が出ると毎年ランキングで1位になってランキングにならないので5位にすると決めてるそうだ。最新は11まで出ている。
- 感想投稿日 : 2022年2月7日
- 読了日 : 2022年2月7日
- 本棚登録日 : 2022年2月7日
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