日本/2021年/吉田恵輔監督/松山ケンイチ出演
ボクシング映画っていい映画が多い。「100円の恋」、「あゝ、荒野(前篇・後篇)」などスポーツドラマにしない日本映画の方がいいかもしれない。これもその一つ。監督は30年ボクシング経験があり、見てきて人たちを題材にしているようで、リアル。
主人公のすべて優等生で、人にも優しく、乱暴な言葉を言われても笑って返すだけというキャラクターがいい。プロボクサーを諦めるが、別の仕事場でまだ練習をしている。なんともかっこいいヒーローではないだろうか。吉田恵輔監督「何者にもなれない人の努力を肯定したかった」と言っいる。
東出昌大は日本チャンピオンになるが、パンチドランカーで時々記憶が飛んだり倒れたりする。
柄本時生は職場の女の子にかっこいいとこを見せたいだけのなんちゃってボクサーだったのが、意外な才能にボクサーにのめり込んでいく。三人ともいそうなキャラなのがうまい。
ボクシング経験があるので、ディテイルが面白いのも特徴。マウスピースを熱湯消毒するとか、勝ちなのりをあげようとロープに足をかけるが、筋肉が疲れていてうまくいかないなど。
「小川さぁん」「うるさい」「まだ何も言ってないじゃないですか」といったセリフのうまさも随所に。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
映画
- 感想投稿日 : 2021年12月29日
- 読了日 : 2021年12月29日
- 本棚登録日 : 2021年12月29日
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