冥談 (幽BOOKS)

著者 :
  • メディアファクトリー (2010年3月3日発売)
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本棚登録 : 988
感想 : 141
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幽霊の話というより、あの世ー冥界に触れているような短編集

仄暗い家屋、古く大きな祖母の生家、橋を渡った先、山、死んでしまった家、忘れていた子供の時の記憶
幽霊という個ではなくあの世という空間が間近にあるというか、あの世がにじり寄ってじわじわとこの世と混じりあって、その境界が曖昧なところにぽつんと置いていかれた気分である

仄暗い世界の中で、赤い椿、白い石、樹のてっぺんにある大きな柿の実、真っ青な空と海など、輪郭のはっきりした色がでてくる。それらが彼岸から此岸の人に手招きする物のように思えた

読了後の薄ら寒さ、物悲しさ、少しの喪失感。
この京極ワールドも胸の中に悪くない霞を産んでくれた

読み進めていくと急に怖い展開になっていく話は、まだ慣れない


あと遠野に行きたい

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 京極夏彦
感想投稿日 : 2022年2月7日
読了日 : 2022年2月7日
本棚登録日 : 2022年2月7日

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