サンタのおばさん

著者 :
  • 文藝春秋 (2001年11月14日発売)
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感想 : 235
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「告白」のスピンオフであるこのタイトルの絵本が本当に存在すると知り、また自分の住む市町の図書館が保有していたこともあり、興味本位で読んでみました。
で、好意的な感想が多い中、ケチをつけるのは恐縮ですが、以下、盛大にツッコませていただきます。

まず本書に登場するサンタ協会の支部配置地域の選定は一体誰が?全部で12支部あるが、アメリカ、カナダ、フランス、イタリア、イギリス、オランダ、ドイツ、ベルギー、フィンランド、日本、で、いきなりオセアニアとアフリカとは、また随分偏った配置ですな。政治的な、作為的な意図を勘ぐってしまいます。

また、日本や欧州で現代に定着している、いわゆるサンタクロースの標準スタイル「白い髭、白い眉、赤い外套、赤いズボン」は、かのグローバル企業コカ・コーラが流布したイメージであって、そもそもサンタクロースは各国それこそ多様な姿をしていたはず。(もちろん性別や年齢も多様。)なので、女性がサンタクロースになることの是非について議論するなんてのは、随分と不寛容で排他的な組織なのだなぁという印象。

そしてそれぞれのキャラクターも、イタリアサンタは時間にルーズで陽気、ドイツサンタは規定に厳しいだとか、これこそザ・ステレオタイプというか、偏見に満ち満ちているなぁという印象。

もちろん、主題は、
「姿形など大した問題ではない。」
「問われるべきは人間的資質。」と、
おっしゃりたいことはわかるのですが。
男も女も無い!と訴えたい割に、まずタイトルから「おばさん」と付けてしまうあたりも随分乱暴な気がします。
(好意的な意味を込めて、またわかりやすくする為のあえての「おばさん」なのかもしれませんが。)
以上
五月蝿〜いおばはんからの、どーでもいい指摘でした。既読スルーお願いしまーす。てぺぺろ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2018年1月10日
読了日 : 2018年1月10日
本棚登録日 : 2018年1月10日

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