南方熊楠は、その業績からすごい人だなぁと尊敬してたけど、この本を読んで、とても好きになった。
南方熊楠と言えば「粘菌」。なぜ粘菌だったのかがずっと疑問だったけど、この本を読んでやっと納得ができた。この世界の理を知ることにつながっているのだそうだ。
豪放磊落とは、この人のことだ。そして、博覧強記の人。こういう素晴らしい、奔放な才能を、受け入れられない社会が本当に歯がゆいし、今もその状況が変わらないことが残念でならない。
この本の、会話文がとても好きだ。そばにいて聞いてきたのかと思うような生き生きとした会話、口癖のような言い回しや方言のお陰で、人物像がありありと浮かび、親しみが湧いてくる。だから、熊楠先生が窮地に陥るたび、こちらまで地団駄を踏むような気持ちになってしまう。少しでも、自分の努力が報われたと思う瞬間がたくさんあるように、と願いながら読んだ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
読書記録
- 感想投稿日 : 2019年6月24日
- 読了日 : 2019年6月24日
- 本棚登録日 : 2019年6月24日
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