人生で少なくない影響を勝手に受けた筒井康隆さんの長編を数年振りに、しかも最後になるかもしれない最近作の長編を読んだ。まだ読んでいない長編もあるのに。きっと、ふいにドンドンはドンドコの父であることを思い出したからだ。
さて、
久々でも内容はとても筆者らしい。ミステリーの体裁から始まる話は、そのうち深いテーマを語り出す。難しい箇所もあるのに読みやすい。自分が文体に慣れ親しんでいるからかな、と思いながら読んでいたけれど、この筆者のことだから構成含めて色んなバランスを計算して書いているから、なのだろう。とにかく貪るように読んでいた頃、断筆宣言以前の作品と比べると、さらに練られた、ソリッドで簡潔な構成に感じた。「時をかける少女」も含め過去作を思いださせるサービスもあり、最後の長編であることを意識させるが、個人的には、それや本の帯文も含めてのパラフィクションだと解釈させてもらおう。こりゃまだ次があるぞ、いひひひひ。
でもまずは、サボっていてまだ読みきれていないここ10年くらいの著書を読まないと。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年9月16日
- 読了日 : 2017年1月17日
- 本棚登録日 : 2017年9月16日
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