石垣島訪問中に読破した本。
岡本太郎が沖縄返還前の1961年に執筆したもの。その後、1972年に「本土復帰にあたって」という章を書き足している。
沖縄を訪れ、感じたことを筆者の思うままに記載している。最も共感したのは、以下の部分。
p40「私はまるまる一週間、島内をかけずり廻った。見るべきところはほとんど案内してもらったのだが、結果は予期に反した。いわゆる「文化」というべきもの、発見としてグンとこちらにぶつかってくるものがないのである。」
漠然と感じても、なかなか言葉にできない意識、感覚。本質を捉え、それをずばっと、相手に悪い感情を与えることなく言い切ってしまうところが素晴らしいと思う。
また、1960年代初めに、本島での時間の感覚、目まぐるしさと、沖縄のそれとを比較しているところも印象的。時代を超えて、共感できる部分が多い。
岡本太郎が今の沖縄を訪れたらどのような感想を抱くのか、大変興味がある。
沖縄訪問を重ねる度に、この本の良さがじわじわと分かってくる。何度でも読み返したい一冊。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2014年10月19日
- 読了日 : 2014年9月1日
- 本棚登録日 : 2014年10月19日
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