『箱の中』が面白かったので、こちらも読んでみることにした。
『箱の中』以上にこれがBLレーベルで出てたとは!と驚く内容だった。
始まりはいつもわくわくするのに、何かと理由があって素直にそのまま進んでいけない。それって恋愛をしていれば、人と関わっていけばBLでなくてもあることだ。好きの意味も度合いも相手と自分では違うし、どれだけ示したって理解してくれないこともある。
人間関係は偶然でも奇跡でもなく、人の努力によってつくられる。前半は寛末が、後半は松岡がそれを教えてくれる。
恋というのはその人自身じゃなく、その人への幻想でできていると思う。なので松岡の女装姿は、その極端な形として解釈した。幻想でなくて、自分自身を見てほしいと願った松岡の気持ち、苛立ちは痛いくらいに感じる。
寛末が幻想でなしに、相手のことを見つめるのはこれからだ。
最初に読み切った時にはラストがもどかしかったけれど、もう一度読んだら、もっと希望が得られるかもしれない。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
文芸
- 感想投稿日 : 2013年6月13日
- 読了日 : 2013年6月13日
- 本棚登録日 : 2013年6月13日
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