中世シチリア王国 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社 (1999年9月20日発売)
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本棚登録 : 238
感想 : 25

シチリアに向かう飛行機のなかで読んだ2冊のうちの1冊。著者は歴史学者で、中世シチリア研究の第一人者であるようだ。本書は、サントリー学芸賞受賞作の『中世地中海世界とシチリア王国』(東京大学出版会)のダイジェスト版といった位置づけだろうが、シチリアを立体的に把握する為の肝をつかんでいる(と僕は思った)、とてもよい本だった。シチリアを訪れる際の事前学習としては、絶対的にお薦めしたい。欲を言えば、本書で扱っているのは主に11〜12世紀で、それまでの流れについてはある程度は追っているのだけれど、新書という特性を鑑みると、以後についてももう少し触れておいてほしかった。僕らが実際に対面するシチリアは抽象的で直線的な歴史ではなく、それら歴史のすべてを経てきた「場所」としての現在のシチリアなのだから。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 人文科学
感想投稿日 : 2012年5月11日
読了日 : 2012年5月3日
本棚登録日 : 2012年5月11日

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