高級寿司屋の板前と通い詰める女性の近づきそうで近づかない絆を、バブル時代の景気の浮き沈みとともに描いた物語でした。作者ならではのリーダビリティの良さは変わらず、いつものハイテンションなノリは控えめに、シンプルに時代の移り変わりと寿司の薀蓄、そして二人の関係を描いていきます。
時代の高揚と降下がそのまま二人の様子を表しているのは分かりやすいですが、同時にちょっとダイジェストっぽい流れに思えて、もう少し細やかなやり取りが見たいなかなと感じもしました。
ただラストの切なさは良かったです。こちらも体温が伝わってくるようで、艶が感じられました。物語全体から食べるシーンには温度のある色っぽさが漂っているのも素敵だなあと思いました。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2015年3月18日
- 読了日 : 2015年3月12日
- 本棚登録日 : 2015年3月18日
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