天使と悪魔 (中) (角川文庫)

  • 角川書店 (2006年6月8日発売)
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感想 : 335
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五、ピタゴラス、五芒星、五角形、ペンタゴン
純粋な言語
ガリレオとジョン・ミルトンラファエロ・サンティジャンロレンツォ・ベルニーニ
悪魔の穴開くサンティの土の墓よりローマに縦横に現わる神秘の元素光の道が敷かれ、聖なる試練あり気高き探求に天使の導きあらん
土「アース」空気「エアー」火「ファイア」
カメルレンゴとシャルトランの会話が印象に残りました。
「少尉、お子さんは?」
「おりません、シニョーレ」
「八歳の息子さんがいると想像してごらんなさい。息子さんを慈しみますか?」
「もちろんです」
「自分の持てる力をすべて傾けて、息子さんが人生で感じるであろう苦痛を防ぐ意志がありますか?」
「もちろんです」
「スケートボードに乗るのを許しますか?」
「ええ、たぶん」
「許可すると思います。ただし、気をつけるようにと釘は刺すでしょうが」
「すると、あなたはその子の父親として、役立ちそうな大まかな助言を与えたあとは、子供の自由にさせてみずから失敗をさせるわけですね」
「後ろに付きまとって過保護に育てたりはしませんよ」
「それを機に、本人がもっと気をつけるようになるでしょう」
「つまり、口出しして子供の苦痛を未然に防ぐ力をたとえ持っていても、愛すればこそ、子供に体験から学ばせることを選ぶのですね」
「当然ですよ。苦痛は成長の一部です。わたしたちはそうやって学びます」
「そのとおりです」
深かった。そして全体的に「中」は面白かった。わくわくしながら、どきどきしながら、一気に読めた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2019年8月29日
読了日 : 2019年8月29日
本棚登録日 : 2019年8月29日

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