モモ 時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語

  • 岩波書店 (1976年9月24日発売)
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感想 : 58
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ぼくの課題図書、ようやく読み終えた。当時のドイツの環境や子供たちに対する考え方など、たくさん考慮しながら読むととても深いし、いまの日本の子供たちにもたくさんのメッセージにつながる。

それを話すためには、まずおまえの中でことばが熟さなくてはいけないからだ。

この日から、ジンはじぶんじしんにたいする尊敬をすっかりなくしてしまいました。

円形劇場あとに帰って寝る?いま、じぶんにも友だちにもすべての望みが消えうせたいま、そんなことができるでしょうか?モモにはよくわかっていました。もうむかしのようには二度となれない、もう二度と・・・・・。 やっと少しずつ自分を取り戻してきて、わずか2週間ぐらいから、自分が自分でなくなっているのがわかる。君はちゃんと答えてくれているのに、なに一つ見ようとしていない。しかも、それについても、もう一度見てほしいとメッセージをくれている。なぜ、あんな風な見方をしてしまったんだろうと、自分を責める毎日。ただごめんなさいと思う。失った時間はもう戻せない。ごめんなさい。ぼくがわるい。

時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子のふしぎな物語。勧善懲悪ものというより、そのなかでどう生きるかが描かれている。カシオペアとのやり取りがとてもいい味を加えている。児童文学の傑作だと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 児童文学
感想投稿日 : 2019年6月26日
読了日 : 2019年6月26日
本棚登録日 : 2019年6月26日

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