新選組血風録 新装版 (角川文庫 し 3-1)

著者 :
  • KADOKAWA (2003年11月22日発売)
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土方歳三の視点から描かれた『燃えよ剣』の上下巻とは異なり、篠原泰之進や斎藤一など新撰組諸隊士に焦点を当てた全十五編の短編集です。燃えよ剣では語られなかった隊士の人柄や、新撰組入隊までの遍歴など見どころはたくさんありますが、個人的には「虎徹」で偽物の虎徹を本物、本物の虎徹を偽物として考えていた近藤勇の考え方が好きです。忠実でも近藤勇の所持していた刀は贋作だったと言われていますし、本編では本人もうすうす気付いている感じですが、自分の価値観に合うように物事を都合よく考えられることって、ある種の才能だと思います。燃えよ剣では幕末の動乱や諸藩の影響を受けてなんとなく頼りなさげに描かれていた近藤ですが、血風録では前述したように自分の考えに忠実な、まさに新撰組局長として隊内のトップにいる人物という感じでした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史
感想投稿日 : 2015年7月31日
読了日 : 2015年7月31日
本棚登録日 : 2015年3月7日

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