コルセットの文化史

著者 :
  • 青弓社 (2004年5月1日発売)
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感想 : 6
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コルセットの歴史についての本。コルセットがどのように変化してきたか、それに伴う社会情勢の変化など。一口にコルセットと言っても、その役割は時代によって異なる。こういう変化の過程を知ると、ファッションを語るには時代背景が必須であるということが分かる。

コルセットは女性を束縛する悪しき象徴として語られることも多い。「脱コル」なんかはいい例だろう。そういった面があることは否定しないが、コルセット着用にも利点があることもまた事実である。コルセットは締め上げたり持ち上げたりすることで、理想の身体を作ることができる。そして外から無理やり身体の形を変えることは健康に悪そうだが、中から変えるのとではどちらがマシだろうか。

コルセットが姿を消すと、自力で腹を凹ませるために無茶なダイエットが広まり、胸を大きく見せるために手術をする人も出てきた。はたしてどちらがマシなのだろうか。もちろん答えは程度による。別にコルセットの復活を望むつもりはないが、やみくもに過去を過ちと切り捨てるのは違うと、読んでいて感じた。

本書の偉いところは、最後に現代(2003年)にコルセットを買うにはどうすればいいかまで書いてあるところである。しかも女性だけでなく、男性が自分用に買う場合のポイントまで。俺は買わないが、そういうところまで網羅している心意気に感心した。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年9月25日
読了日 : 2021年9月24日
本棚登録日 : 2021年9月24日

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