2007年2月に亡くなった文筆家・池田晶子の「最後の新刊」です。残された未発表原稿と書籍未収録原稿を3つのテーマに集成し、それぞれが刊行されました。中でも「私」とは何かについて考えられているこの本は、池田晶子の思索の原点とも言える、シンプルで果てしない謎に満ちていました。「私とは何か」と問うところの主体は何なのか。そもそも哲学とは何なのか。「哲学は『お勉強』になった刹那に、哲学でなくなると言っていい」という池田晶子の言葉を受け、「考える」ということ、「学ぶ」ということに関して、少しだけ見方が変わりました。付録として収録されている「空を飛べたら」という物語が、特に心に響きました。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2009年5月21日
- 読了日 : 2009年5月21日
- 本棚登録日 : 2009年5月21日
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