ことり

著者 :
  • 朝日新聞出版 (2012年11月7日発売)
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本棚登録 : 2083
感想 : 319

心が洗われるような優しいお話。
静かに丁寧に紡がれていく毎日。

主人公の小父さんと兄の優しい関り。
兄は小鳥の言葉しか話せませんが、
小父さんには理解できたのです。
兄亡き後、ひとりつましく暮らす小父さん。
仕事前に幼稚園の鳥小屋を掃除する小父さんを
園児たちは「小鳥の小父さん」と呼びます。
日曜日は図書館に通い
夜はラジオを聴いて過ごす静かな暮らし。

そんな小父さんにもちょっとした出逢いがあり、
心高鳴り、そしてまた日常に戻り…。
自分らしい生き方をひたむきに生きた小父さん。
最終章、メジロとの暮らしに
救いと切なさを感じました。

あれ??
そういえば、誰一人 名前が出てこなかった。
お兄さん、園長先生、司書さん、青空薬局の人、等々。
一切、固有名詞が出てこない物語。
最後まで読み終えて感じた透明感。
不思議な優しい世界への没入感。
もしかしたら、そのせい?

主人公は、「おじさん」ではなく「小父さん」。
小鳥のお父さんって読めなくもないかな。
深読みが過ぎるかも、ですが。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小川 洋子
感想投稿日 : 2024年4月13日
読了日 : 2024年4月13日
本棚登録日 : 2024年4月13日

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コメント 4件

ハッピーアワーをキメたK村さんのコメント
2024/04/13

おはよう、おはよう❀
固有名詞が一切出て来ない話って、面白いね
私も以前読んだ作品が『ぼくら』『おばあちゃん』『従姉妹』…しか出て来なくて、名前と関係性を覚えなくて楽だった記憶があります
そしてy yさんが感じた透明感や、不思議な優しい世界への没入感も有りでした
そういう効果があるのかな〜

yyさんのコメント
2024/04/13

おはよー (((o(*゚▽゚*)o)))
読み終わる頃に気づいたの。
あれぇ??名前が無い!って。
ハッピーさんの「名前と関係性を覚えなくて楽」って、なるほどって思いました。
色んな人が出てくると、混乱しないよう、いつも必死です (^_^;)

しずくさんのコメント
2024/04/14

「小父さん」を小鳥のお父さんって読めなくもないかなって言われるyyさんの感性、素敵です! 山歩きに予定している今日が楽しくなりそうな予感。

yyさんのコメント
2024/04/14

しずくさん、おはようございます。
山歩きですか! いいなぁ。
お天気、最高じゃないですか - ̗̀ ☺︎ ̖́-
思いっきり、楽しんできてくださいね(≧∇≦)/

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