通称「アイヒマン実験」の報告にあたる本著。ここで得られた実験報告は人は権威に対して服従する生き物であるという、目を背けたくなるような結果だったということ。厳密にいえば、この実験で行われた手法の正確さについて異論等もあるようだが、いずれにせよ確実なことは、権威という目に見えないパワーの強大さ。そして人間がそれに対して、社会システムの構造上指示に従わざるを得ないところにいるという点は否定しにくいのではないだろうか。
日々、家庭、学校、会社、社会・・・あらゆる生活の場に権威は存在しており、その権威に服従して生きている。こう考えると、自分はさも奴隷かのように感じてしまうが、そうではなくて視点を変えてみれば、相手への信頼にほかならないとも言えなくもない。
ただ、なんというか、協調や空気を読むことを大事と見ないしている日本においては、この実験を行ったらかなりの率で服従する人が多いような気がしてならないし、私自身、服従してしまう側なんだろうな・・・と思いながら読んでいたら、背筋がゾッとした。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2018年9月23日
- 読了日 : 2018年9月23日
- 本棚登録日 : 2018年9月23日
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