チチコフが死んだ農奴を買っている、と噂が流布し、彼を熱烈にもてはやしていた街のものは皆彼が風邪の間に彼を避けるように。チチコフもそれを聞いてすぐに街を出る。第一部の最後、彼の生い立ち、遍歴、死んだ農奴を買う目的が明かされる。
農奴を抵当として後見会議(寡婦、孤児、私生児等を保護する政府の機関)から金が借りられるのだ。数年置きの農奴人口の調査の前にそれをやってしまえばいい、そうすれば売る側としてもいない農奴の毎年の人頭税を払わずに済むというわけ。そう、チチコフは悪党であった‥‥。
上巻で平井氏による解説に、第一部は神曲における地獄編、とあるが、それが明かされたところ。また、地方のそれぞれ特徴的な地主たちもそれぞれ物語を彩っている。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
教養作品
- 感想投稿日 : 2015年12月4日
- 読了日 : 2015年12月4日
- 本棚登録日 : 2015年12月2日
みんなの感想をみる