中学生ってなぜかこうも不毛な生き物だ。世界が狭く卑屈だ。それを、犯罪を犯さずに居られるかは、普通ここまで軽くないであろうが、筆致の説得力はある。普通じゃない中学生描いているんだし。
最初の殺人、久藤美也に寄る非常勤講師の殺害が起きたとき、どうも安心した。彼の中の不協和音がようやく終わったことに安堵した。美也に同情できたわけでも、被害者の柏木が不快だったわけではないのに。女としては柏木の方に共感していたのに。それでも、それが正しい解決策でなくとも、一時の心の平穏を喜ぶ思春期の気持ち、とてもよくわかるのだ。他の二人の中学生が犯罪を犯したときについても同じ思いがした。
それが怖くも、この作品の魅力なのだろう。次巻どう展開していくか楽しみです。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
現代小説
- 感想投稿日 : 2018年2月14日
- 読了日 : 2018年2月14日
- 本棚登録日 : 2018年2月14日
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