役者陣が兎に角豪華。
特に、でくのぼうと言われつつ慕われる成田長親は
野村萬斎さんでなければ成立しなかったのではないか。
阿呆っぽい振る舞いをしつつも重厚であり
田楽踊りのシーンは流石、圧巻だった。
演出に関しては過剰に感じるものが多かった。
特にCG合成は、クオリティが気になる。
空なども色味や陰影が浮いているので、
見ていて我に返ってしまう。
折角の水攻めのシーンも水の粒子のサイズが合っておらず
動きなども含めて嘘くさく見えてしまった。
水攻めというよりはダム決壊並の水流の勢いで攻めており
まるで津波のように押し寄せてくる。
史実上忍城攻略に水攻めを発案し堤防を築いたことは事実だが、
堤が雨で決壊して作戦は失敗したとされている。
それがもし成功したなら、という歴史のifの物語なのかもしれないしそれ自体は良い。
ただ水攻めという作戦は浸水させて孤立させるものであり、
水の勢いを武器にして相手に被害を与えるものではない。
甲斐姫を始め各キャラのの描写も不十分に思え、
いまいち感情移入しきれなかった。
本来やりたかった脚本は240分以上で、そこからカットして
145分の本作になっているそうなので
大部分カットしているというのはわかるが
もう少し取捨選択のシーンの見極めは必要だった気がする。
正直、見ている途中で飽きてしまうことが何度かあった。
緊迫感とメリハリが欠けていたと思う。
歴史ものが好きな方には物足りない、期待はずれ
と感じる部分が多いかもしれない。
原作はこうではなかったという感想もちらほら見かけるので
原作の方を読んでみようと思う。
- 感想投稿日 : 2020年7月26日
- 読了日 : 2020年7月25日
- 本棚登録日 : 2020年7月26日
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